京極堂ヲ騙

京極堂とわ??
 憑き物落しをする陰陽師である古本屋の店主・京極堂が事件の謎を解く超本格派ミステリーシリーズ
 個性豊かな友人達
 文士・関口、探偵・榎木津、刑事・木場らも登場し、謎めいた事件に関わってゆく
 作者は今作で文学界に華々しくデビューした京極夏彦
 出版社は全作・講談社より







出遭い

これについて話すと物凄く長くなります(笑
でも、あえて出会いから長々と話したいと思います(笑
出会いは映画からでした
「姑獲鳥の夏」が公開した頃
映画自体は知っていたんですが、当時の僕に映画を見るという習慣は無く、見に行きませんでした
でも、今思うと自分の凄い好きな世界観だったんだなぁ、これが
初めて視たのはやっと映画に興味を持ち始めて、DVDを恐ろしい勢いで借りまくっていた時
「おっ、何か面白そう」
と思い、ホラーが見たいと言っていた友達(にゴリ押しして)と見ることに
友達は寝ました(笑
そして僕はガッツリ嵌りました
何回も見て
「次ねぇのか!!」と思って、そしてその事は忘れてました
で、最近になって「魍魎の匣」が映画化して
「あれっ?キャストめっちゃ似てるんですけど?」
と思い、調べてみたら何とシリーズだった!!
で、映画を見て
「やっぱ面白、つーか京極堂(堤真一)マジカッコいいんですけど」
と、言う事になり
「次映画化するまで原作読んどこう」
で、初めて原作を読みました
まずは1からだろと姑獲鳥の夏をBOOK・OFFを探して
文庫本を100円で購入(笑
時計なんか一気に読みました
で、現在は「狂骨の夢」まで読破
「鉄鼠の檻」を読み始めたところです
今は近くのBOOK・OFFが店舗移転で閉まりやがったので
文庫本を定価で購入(涙
泣いてないよ!!悔いてないよ!!(涙





衝撃

さて、ここからが本題
本当に面白かったというしか言いようがありませんでした
映画より衝撃でした
推理・ミステリーの漫画・ドラマは凄く好きでよく見ていたのですが
見よう見ようと思いつつ小説は読んだ事がなかったので
小説がこんなにもわかりやすく面白いものなのかと思いました
金田一少年とかコナンとかみたいに巧妙なトリックって小説じゃわかりにくいんじゃないんだろうかという懸念も持ってましたし
シャーロック・ホームズとか呼んでみたかったけど、向こうの話じゃわかんないんじゃないかと思ってたんですね
まぁ、京極堂は日本の話ですが・・・
全然でしたね
僕が思うより全然わかりやすかったし、話が最高でした
関係ねぇだろみたいな話までちゃんと関わってるんですね
それこそ漫画とかだと関係あることと関係ないことがはっきりと区別されているじゃないですか
怪しい人がいっぱいいて、思わせぶっといて、コイツが犯人みたいな
まぁ、当たり前のパターンだし、それも勿論大好きです
只、これに関してはだって、犯人見つけりゃいいっていい話じゃないじゃないですか
全部繋がってる
しかも朧げなのにはっきりと
最後まで全部わかんなくて、最後に京極堂が全部解決してくれる
読みながら「えっ?!」とか「マジ!!」とか叫びますよそりゃ
こんな事考えられねぇよ、尊敬しかできない、京極先生
いつか推理小説でも書いてみたいなぁ何て思いが足元から崩されました
100年早いっす





登場人物

そして、何ともキャラクターが・・・濃すぎる!!
漫画みたいな作りですよね、キャラが
仏頂面の古本屋兼陰陽師兼憑き物落し(探偵役)
鬱病気味で常に事件を傍観する小説家
探偵なのに全然事件を解決していない超能力探偵
戦う相手がいなくなると直ぐやる気をなくす熱血刑事
兄貴と正反対の性格なのに好奇心と推理力のある女性新聞記者
これだけでも凄い
僕が見てきた小説って、出てくる人物の動きが薄い小説ばっかりだったんですよね
まぁ、普通の小説だから当たり前なんだけど
他の推理小説もそんなもんなんでしょうか??
見たことが無いからわからないけど
ドラマ化・映画化された物のキャラってそんなに濃くなかった気がして・・・
この小説のキャラクター達は皆愛せた
最近は愛しすぎて鼻血出すんじゃないかと思う(笑
キャラについてはどれだけ愛しているか「登場人物」ページを参照





時間設定

時間の流れ方もちゃんと計算されている
一つ一つの事件が孤立してるんじゃなくて、続いてるんですよね
久遠寺事件の2ヶ月後にバラバラ殺人、その捜査に被って金色髑髏事件から夫殺人
久遠寺が終わって直ぐ美少女転落事件は始まってるわけだし
しかも、皆事件をおうごとにちゃんと嫌気をさしてる(笑
違う話としてじゃないんですよね
だから続きを読むごとに前の事件が出てきて、何となく優越感を感じる(笑
ってもまだ3作しか読んでないんですけどね(笑





時代設定

後、時代背景
僕、大好きなんですよ、こういう時代
元元歴史が好きなんですが
明治とか大正とか異文化が入って来たときの時代背景って一々難しくてめんどくさくて
でもそれがいいんですよ
やっぱりスケールが大きいほうが話は面白いじゃないですか
だからその時代背景と事件が絡んでくると見てるほうはやっぱり面白い
だから明治・大正なんかの時代で推理小説書いたらこれもまた面白いと思います
けど、僕はこの終戦と言う時代は舞台としては融通の利く一番最適の時代だと思うんです
要素は2つ
1つは自由になったという事
國が自由になればある意味で複雑な時代背景は考えなくていいわけだし都合はいいですよね
色んなものが入り始める時代だし、許されていくから一方的にはならない
2つ目は明治や大正という時代が過去になる事
つまり、因縁や怨念が作られた要素が明治や大正にできるわけです
久遠寺の時も因縁の始まりは明治が開けてからでした
まぁーこのシリーズの場合日本書紀の時代まで遡っちゃうから関係ないんでしょうけどね
金田一少年何かは明治・大正の話がよく出てきますし
金田一耕介の話も明治・大正の話がよく出てくるように感じます
多分、金田一少年以外にもそうなんじゃないかと(笑
幕府と言う制度が崩壊し、政府が誕生してからは今現在まで続く環境が作られたわけです
その中で新聞報道が発生し、1つの事件の注目度が上がり、記録にも記憶にも残りやすくなった
そこで、阿部定事件のような猟奇事件が出てくる
明治があけた段階や大正になったあたりじゃまだ事件そのもの、警察そのものの歴史が無いわけですから
そういった意味では戦後は事件の歴史も新聞の歴史も警察の歴史もでき初めて
尚且つまだ完璧じゃなく歪で
歴史もあり完成もしてないから話が色んな方向に曲げられるのではないでしょうか
どんな事件が起きても何となく前例があるから批判はしても受け入れられるし
かと言ってDNA鑑定もできないからスムーズには解決できないし
戦後直ぐってわけでもない(GHQ撤退後)から戦争の余韻はあまりないし
戦争中のことは有耶無耶にできるから尚更話は混乱させられるし
でも、これは僕の印象ですから
京極先生がそんな事を思って書いたかなんてことは全然関係ありません(笑
ちょうどいい時期ですよね
金田一耕介もそういえば戦後だな





一番好きな原因

でも、僕が一番好きなのは
文章です
理屈を並べているような長い長い文章
これが本当に好きです
理屈っぽいなんて失礼ですが、こんな言葉しか浮かばないというか、無知なので(笑
僕自身が凄く長い文章を書いて、一々説明を入れたり、キャラクターの心情を入れたり
勝手に自分で納得したり
とても説明口調名物を書くので、何か自分にフィットしたというか
自分が書いていた文章は本当に駄目だと思ったので
失礼だけど似ていたというか、そう勝手に感じ取ってしまって
だから凄く・・・共感を得ました
今までそんなに小説を見てきたわけじゃないけれど
今まで見てきた中で一番自分の文章に似ていた気がしたので
安心したというか、そこから「好き」は始まったと思います
そして、その一番それが出てるのが京極堂の演説(理屈・詭弁)だと思います
全て納得しますし、僕が今まで考えてきた事と同じ意見があったりしたのが運命的でした
考えた事もないことから、自分の考えすら全て京極堂が話してくれるのが嬉しくて
聞くたびにわくわくしましたし
京極堂になりたくて堤真一の真似をして京極堂の台詞を音読しました
ってか今もしてます(笑
僕は完璧に京極堂信者です
尊敬・憧れです
屁理屈屋なところは似てるかなぁと言うか自分と同じだ何て思いながら
足元にも及ばないと(笑
僕が嵌った原因は多分これです





纏め

つまり、僕が思うに、これは
漫画らしい相関図を持つ変則推理小説
何だと思います
て言うか、この小説元は漫画書くためのアイディアだったみたいですね
当たってた(笑
この小説は僕の人生にとても大きな影響を及ぼしたと今の時点では思います(笑
あぁ、何なんだ、この異常な長さ・・・






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